“ブドウの王様”と讃えられる「巨峰」。美しい黒紫色をした大粒の外観、格調高い味と香りはまさに“王様”と呼ばれるのにふさわしいブドウです。

「巨峰」は日本原産のブドウであり、今では国内で最も多く栽培されているブドウの代表品種です。「巨峰」という名前は作出された伊豆の農学研究所から見える雄大な富士山にちなんで付けられたそうです。

「巨峰」の名産地として有名なのが長野県。長野県は「巨峰」の栽培面積・生産高ともに全国第1位という一大生産地です。旬の時期の9月から10月にかけて出荷される「巨峰」は糖度18%以上で濃厚な甘みが特徴。房にびっしりとついている実は、まるで宝石のように黒光りしています。皮と果肉の食感も絶妙で、一粒ほおばれば口の中でするりと皮が外れ、果肉からは極上の果汁があふれ出します。芳醇な香りと味には心も体も癒されます。

長野県の新鮮な「巨峰」は皮ごと口に入れて食べるだけでもこたえられないほど美味しいので、カクテルでは“巨峰のマティーニ”というオーソドックスなフルーツマティーニで提供しています。フルーツマティーニというのはフルーツにジンやウォッカをあわせシェークしたシンプルなカクテル。シンプルなだけにフルーツの素材の良し あしがストレートに味にでる、むしろ作るのが難しいカクテルです。

長野県産の「巨峰」は特有の芳醇な香りがあり、甘みと酸味のバランスが整ったしっかりした味わいなのでフルーツマティーニにはぴったりです。

「巨峰」の味を存分に発揮させるためにボストン・シェーカーに粒を入れたら、ペストル(すりこぎ棒)で「巨峰」を皮ごと丁寧につぶします。そうすることにより、皮にふくまれている旨味成分もしっかり味わうことができ、色合いも美しくなります。

ベースになるウォッカは原料にブドウをつかった珍しいフランス産のウォッカ。同じブドウなので「巨峰」との相性は抜群で、調和のとれたマティーニが完成します。さらに味わいにアクセントと奥行を与えるため、自家製の巨峰酢を隠し味として少量入れています。

巨峰の旨味を全て味わえる、シンプルながら非常に洗練された味わいのフレッシュ・マティーニ。初秋のフルーツマティーニでは一番人気のカクテルです。

ブドウは世界で最も多く栽培されているフルーツ。ヨーロッパではその栄養価の高さから「畑のミルク」と呼ばれています。果実にはブドウの甘みであるブドウ糖や果糖が多く含まれており疲労回復、エネルギー補給に最適です。
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